【和訳】

【難単語・難熟語】

• distribution → 分配、割り当て
• prospect → 将来性、見込み、可能性
• reinforce → 強化する、確固たるものにする
• full extent of A → Aの実際の規模、Aの全範囲
• gulf → 溝、対立
• inherited → 相続した、遺伝の
• achievement → 業績、達成
• admittedly → 〜なのは認めるが
• in terms of A → 〜という点で、〜に換算して
• grade 9 → 日本でいう中学3年生
• OECD → 経済協力開発機構
• secondary school → 中等学校
• primary school → 小学校
• population → 人口、（統計学における）母集団
• post-secondary education → 中等後教育、主に大学教育を指す
• striking → 顕著な、著しい
• figure → 数値
• given → 与えられた、一定の
• relative to A → Aと比べて
• mirror → 反映する、似ている
• coincidental → 偶然に一致する
• take on → （性質･外見などを）もつようになる、帯びる
• marginalize → 主流から外す
• A or less → A以下
• irrelevant → 無関係の
 

【読解・解答のポイント】

難易度★★★School achievement, measured in terms of the average number of years or grade reached in education, is one (admittedly limited) measure of global inequality.

教育において到達する平均的な年数、つまり学年という点から測られる学校教育の達成度は、限定的ではあるが、世界的な不均等の一つの尺度となる。

英文として難しいのは(admittedly limited)くらいだが、訳語を選択するのが意外と難しい。school achievement、grade、measure、globalあたりは意味は分かっていても、自然な日本語にすることが難しい。
カンマの間のmeasured in terms of the average number of years or grade reached in educationは、School achievementにかかる分詞句。
number of years『学校に行った年数』とgrade『学年』はここでは同じ意味。gradeは成績という意味もあるが、下線部(1)の後にも書いてあるように、ここでは単純に何年学校に通ったかだけを問題にしている。
文構造からすれば、the average number of yearsとgrade reached in educationがorで並列されていると見るのが一番分かりやすい。しかし文と単語の意味からすれば、averageとin educationは、年数と学年の両方にかかっていなければならない。とすると、number of yearsとgrade reachedがorで並列されていることになり、構造上アンバランスになる上、reachedという過去分詞が1語でgradeを後ろから修飾していることになり、文法的に不自然となる。こうした修飾関係の曖昧さは日本語でもよくある事で、柔軟に対応する必要がある。
admittedly〜は『〜ということを（筆者は）認めるが』という意味。文法的にはadmittedly limitedはmeasureを修飾している。
 
難易度★★Striking as they are, these figures tell only part of the story. One way of thinking about unequal opportunity is to consider the chance that a child born in one country will achieve a given level of education relative to a child born somewhere else.

こららの数値は際立ったものではあるが、事態のほんの一部しか伝えていない。機会の不均等について考える一つの方法は、ある国で生まれた子供が、他の国で生まれた子供と比較した時に、一定の教育レベルに達する可能性について検討する事である。

最初のstriking as they areが訳しにくいが、それ以降は平易。
第1文。striking as they areは倒置が起きている。As they are strikingの語順に戻して考える。またasはここでは逆説。Though they are strikingと考えてよい。theyは主節の主語と同じで、these figures。
第1文。these figures『これらの数値』とは下線部(1)で述べられている『教育において到達する平均的な年数、つまり学年』に関わる数値。具体的にはその後に書かれているOECD加盟国とサハラ以南の国における、特定年齢での教育割合の数値のこと。
第1文。strikingとは『顕著であること』。OECDとサハラ以南の教育に関わる数値が、あまりにもかけ離れていて、衝撃的だということ。
第2文は長く、複雑な構造をしているが、読みやすい。これの構造が見えないと京大合格には遠い。
第2文。One way of thinking about unequal opportunityが主語。動詞がis。補語がto consider the chance。that以降はchanceを修飾している。
somewhere elseはone countryに対応しており、ある国に対して、他国という意。
 
難易度★They show that children in countries such as Mali and Mozambique have less chance of completing primary school than children in France or the United Kingdom have of reaching higher education.

その結果の示す所によると、マリやモザンビークといった国々の子供が小学校を修了する可能性は、フランスやイギリスの子供が高等教育に進む可能性よりも低い。

なぜここに下線を引いて、いつもより多い4問としたのか分からない。簡単な問題。
マリやモザンビークがどこにありどのような国なのかは、京大を目指す生徒の常識として、ある程度は知っておくべき。どちらもsub-Saharan Africaに属する国。
theyは前文のthe resultsを受けている。そのthe resultsとは、下線部(2)で述べられている『ある国で生まれた子供が、他の国で生まれた子供と比較した時に、一定の教育レベルに達する可能性について検討』した結果である。
higher educationは主に大学を指す。大学院や専門学校も含む。
haveの後ろにchanceを補って考えると分かりやすい。
 
難易度★★The fact that in half the countries of sub-Saharan Africa the survival rate to the last grade of primary school is 67% or less is not irrelevant to prospects for overcoming the region’s marginalization in the global economy.

サハラ以南のアフリカ諸国の半数において、小学校の最終学年まで在校する確率が67%以下であるという事実は、世界経済におけるこの地域の立ち遅れが克服されるか否かの見込みと無関係ではない。

marginalizationを知っていれば難しい要素はない。〜or lessやirrelevantあたりは知っておくべき表現/単語。
thatからprimary schoolまではfactと同格。that節の中の主語はthe survival rate。
survival rateとは下線部(3)の次の文の『ラテンアメリカや南アジアや西アジアにおいて小学校に入学する生徒の5人に1人は、小学校の最終学年まで残ることができない』を受けている。サハラ以南のアフリカではラテンアメリカやアジアよりも、状況が悪い事が分かる。ここでのsurviveは、学校をやめずに教育を受け続ける事。
主節の主語はthe fact、動詞はis、補語がirrelevant。
for以下はprospectにかかる。prospect for(of) ~で、〜の見込み。overcomingは動名詞。
the region’s marginalizationとは『サハラ以南のアフリカ諸国が世界経済から取り残されている事』。marginalizeは『周辺に追いやる、阻害する』の意。
prospect『見込み』とはここでは『サハラ以南のアフリカ諸国の教育レベルが低い事が、将来この地域の経済が発展する可能性が低い事を示唆している』つまり『見込みがなさそう』ということなので、『否か』という語を加えて訳した。