東大過去問 1964年 第4問(和訳)

/ 11月 28, 2019/ 第4問(和訳), 東大過去問/ 0 comments

【問題】

和訳せよ。

(1)Some authorities have suggested that once there was much greater diversity in American speech than now. As evidence, they point out that in Huckleberry Finn, Mark Twain needed seven separate dialects to reflect the speech of various characters, even though they all came from much the same area. Clearly that would not be necessary, or even possible, today. On the other hand, it may be that thousands of regional accents exist out there and that we’re simply not as alert to them as we might be.

(2)Many thinkers dating back to Buddha and Pythagoras have advocated the simple, almost fasting diet for the contemplative existence; meat is to be avoided. But the English philosopher, Herbert Spencer, was a believer in the meat diet. Somebody informed him that his thoughts would reach greater heights were he to become a vegetarian. An ambitious man — all philosophers are amazingly ambitious — he changed his habits and began to limit himself to vegetable foods. However, his work immediately began to deteriorate, and it was not long before he was back again on beef, mutton, and pork, on which he wrote his great work.

【単語】

  1. authority → 権威、権威のある人
  2. suggest → 示唆する、述べる
  3. diversity → 多様性
  4. speech → 話し言葉、方言
  5. evidence → 証拠
  6. point out → 指摘する
  7. Huckleberry Finn → マーク・トウェインの書いた小説。
  8. Mark Twain → アメリカの作家。1835~1910。『トムソーヤの冒険』の著者として有名。
  9. dialect → 方言
  10. reflect → 反映させる
  11. even though → 〜ではあるが
  12. much the same → ほぼ同じ、大同小異
  13. it may be that~ → 〜ということかもしれない
  14. regional → 地域の
  15. alert → 気を配っている、気づいている
  16. thinker → 思想家
  17. Buddha → ブッダ、釈迦
  18. Pythagoras → ピタゴラス。ピタゴラスの定理で有名だが、彼自身の発見かどうかは疑わしい。「万物は数なり」と唱えた思想家。
  19. advocate → 提唱する、支持する
  20. fasting diet → 断食
  21. contemplative → 瞑想の、熟慮の
  22. existence → 生活ぶり、暮らし
  23. Herbert Spencer → イギリスの思想家。ダーウィンの影響で適者生存を唱え、社会学や人類学など広い分野で活躍した。明治の日本に大きな影響を与えた。
  24. ambitious → 野心的な
  25. deteriorate → 悪化する
  26. it was not long before → すぐに〜した、まもなく
  27. mutton → 羊肉
  28. work → 作品、著作

 

【解答】

(1)かつてアメリカの話し言葉には今よりもはるかに多様性があった、と示唆する研究者たちもいる。彼らはその証拠として、マーク・トウェインは『ハックルベリー・フィン』の中で、その登場人物たちは全員同じ地域出身だったのだが、様々なキャラクターの話し言葉を反映させるために、7つの別々の方言を使い分ける必要があった、と指摘する。明らかに、そんなことは今日では必要ないし、そもそも不可能である。一方でもしかしたら、アメリカにはいまだ数千の方言が存続しており、我々が以前よりそれに無頓着になっただけ、ということかもしれない。

(2)ブッダやピタゴラスまでさかのぼると、多くの思想家たちが、思索的な生活のために、簡素な、ほとんど断食ともいえるような食生活を支持していた。すなわち肉食は避けるべきだというのである。しかし英国の哲学者、ハーバート・スペンサーは肉食の信奉者だった。ある人物が彼に、ベジタリアンになれば、彼の思想はさらなる高みへ至ることができるはずだ、と言った。全ての哲学者は驚くほど野心的であり、彼も野心的であったので、彼は食生活を改め、菜食に限定し始めた。しかし、彼の研究はすぐに行き詰まってしまった。そして彼はほどなく牛肉、羊肉、豚肉といった肉食に舞い戻り、それによって素晴らしい著作を残したのである。

(Visited 6,550 times, 1 visits today)
Share this Post

Leave a Comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

*
*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)