京大過去問 2002年 第1問(英文和訳)

/ 10月 29, 2020/ 英文和訳, 京大過去問, 難易度★★★★★, andの並べるもの/ 0 comments

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【問題】

次の文の下線をほどこした部分(1),(2)を和訳せよ。

When we enter into reasoning, we lift ourselves beyond our biological and psychological limitations. We live the life of thinking. This means that we are able to make claims about the truth of things. We can verify or falsify such claims, we can exchange meanings, and we can praise or blame one another for having been better or worse agents of truth. As we speak with one another and strive for rationality, we become able to master absences of many kinds and articulate presences in extremely complex ways.
One of the requirements for this kind of life is the sameness of a meaning that we communicate among ourselves and come back to repeatedly in our own cerebral life. (1)A single proposition returns as a duplicate over and over again. We tell it to other people or quote it as having been said by someone else, and we can place the statement within a systematic exposition of a scientific field after confirmation. The sameness of a meaning occurs with the varying interpretations people might give the meaning, and with the differences in vagueness and distinctness the proposition might enjoy in various minds. Unless it were one and the same statement, we could not see such differences as being differences at all; we could not have many interpretations if the propositions were themselves different, and we could not speak of vague possession of a meaning unless a core of sense remained the same between its vague and its distinct states.
Meanings are presented especially in words. Through language it becomes possible for us to express the way things are and to convey this mode of presentation to other people and to ourselves at other places and other times. (2)The words we exchange capture the way things have appeared to us, and if we are authoritative in our disclosures they capture the way things are. At the same time, the words are flavored by the style with which we have disclosed the things in question, so they indicate to the reader or listener some truth about ourselves as well.
Therefore, in reasoning, what we have to do is to examine the meanings reflected in language and its style. By doing so, we may live a deeper life of reasoning and thinking.
 

【和訳】

人は論理的思考に入ると、生物学的・心理学的限界を超えた所に、自身を引き上げる事が出来る。思索的生活を始めるのである。これは物事の真実性について主張できるということを意味する。我々はそうした主張の妥当性や誤りについて判断し、意味を伝え合い、真実の伝え方の優劣によってお互いに賞賛したり非難したりすることができる。我々はお互いに話をして合理性を追求するうちに、存在していない多くのものを理解し、極めて複雑な方法によって、存在するものを明確に表現できるようになる。
この種の生活に不可欠なものの一つが、我々が互いに伝え合い、また内的な知的生活において繰り返し立ち戻ることになる、意味の同一性である。(1)ある一つの命題が、複製されたものとして、何度も何度も登場する。我々はそれを他人に伝えたり、他の人が言ったものとして引用したりする。そして検証を行った後に、その命題をある科学分野の体系的な説明の中に位置付ける事が出来る。人々がその意味に対して与えうる解釈は様々であるし、その命題が多様な人々の思考において持ちうる曖昧さ・明快さもそれぞれ異なってはいるが、意味の同一性は生じているのである。もしそれが完全に同一の言葉でなければ、そもそもそのような違いを違いとしてとらえることすら出来ないだろう。命題そのものが異なっていたら、それに対して多くの解釈を持つということもありえない。曖昧な状態であれ明快な状態であれ、意味のコアの部分が同一のままでなければ、意味を曖昧に把握していると言うことすらできない。
意味は特に言葉という形式で表わされる。我々は言語を利用することで、物事の様相を表現することができ、また他の時間・場所にいる他者や自分自身に対して、こうした表現形式を伝えることができるようになる。(2)我々が交わす言葉は、物事が我々にどう見えたかを捕らえており、もし我々の発言が信頼に足るものであるならば、言葉は物事の様相そのものを捕捉しているということになる。同時に言葉は、当該の物事が表現されてきた形式によって色付けを与えられているがゆえに、読者あるいは聞き手に対して、我々自身についての事実をもいくらか示唆するのである。
したがって、論理的思考において我々のなすべきことは、言語や言語の表現形式の中に反映されている意味について検証することである。そうすることで、我々は一層深い論理的思考と思索の生活を送ることができるかもしれない。
 

【難単語・難熟語】

  • reasoning 推論、論理的思考
  • verify → 真実性を検証する
  • falsify → 誤りを証明する
  • agent → 伝達する人
  • rationality → 合理性
  • master → 習得する、支配する
  • articulate → 明確に説明する
  • cerebral → 知的な、脳の、理性的な
  • proposition → 命題
  • statement → 述べられたもの
  • exposition → (詳細な)解説、説明
  • confirmation → 確認
  • enjoy → 与えられている、持っている、享受している
  • capture → 捕捉する、とらえる
  • authoritative → 信頼できる
  • in question → 当該の、問題にしている
  • indicate → 示唆する、暗示する
 

【読解・解答のポイント】

  • かなり難しい内容。内容自体が難しくはあるが、文章はしっかりしていて曖昧な点はないので、やりがいのある問題。
  • 下線部(1)について。全体的に単語が難しい。述べている内容もある程度高度なので、知らない単語があると、文意がとれず和訳全体が崩れてしまう危険がある。第二文について。statementは『述べられたもの』だが、ここではproposition『命題』のことを指している。exposition『解説、説明』はかなり難しいと思われる。単語の意味を知らない場合にどう切り抜けるかも問われる。第三文について。with以下が2つ並列されている形。with以下の類似性に注目すれば、気が付くはず。『意味の同一性が生じる』とは、ある命題が繰り返し述べられる中で、その命題に対する解釈は多様だが、表面的な意味そのものは変わらないということ。
  • 下線部(2)について。かなり難しい。『言葉は人が物事をどう見たかを表現している』→『人の言葉がしっかりしていれば、言葉は物事そのものを表現しているはずである』→『しかしそうして表された物事は表現形式によって脚色されている』と同時に『物事を表現したはずの言葉が、その発言者そのものについても暗示している』という内容。表面的に逐語訳しても、まとまりのない読んで意味の分からない和訳になると思われる。第一文について。the way things have appeared to to usは前文と、この文の後半のthe way things areと対応している。disclosureは『公表すること』だが、ここでは『言葉を発すること』。authoritativeとは『信頼のおけること』。if we are authoritative in our disclosureはここでは『我々が目にしたものを(ごまかしや間違いなどなく)そのまま言葉に出したとしたら』という意味。第二文。the style with which we have disclosed the thingsは『我々が物事を明らかにしてきたスタイル』→『我々の表現形式』。

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