東大過去問 1985年 第5問

/ 2月 11, 2019/ 東大過去問, 第5問(総合), 過去問/ 0 comments

[問題文]

Before the historic launching of Apollo Ⅺ on July 16, 1969, many reporters met with all three of the astronauts. But those who interviewed Neil Armstrong, the commander of the flight, emerged from (A)the experience puzzled and sometimes annoyed. Not that he had been unpleasant or impatient. Not at all. Talking to the press was part of an astronaut’s job, just like flying T-38 jets to keep the reflexes sharp, or learning (B)what kind of snakes to eat if you were ever lost in Borneo. It was a duty, and Neil Armstrong was not the kind of man who neglected his duties.
 What was it, then that bothered the reporters? Here was their man, who soon would be the (C) human being to disturb the moon’s dust — or sink into it; our Hero, our Pride, our Explorer, the Pioneer of the Technological Age, ready to launch into space with all the dreams and fears of humanity:
 — Mr.Armstrong, becoming an astronaut must have given you great joy?
 — I was already a test pilot for NASA. To me it was (D) being transferred from one office to another.
 — Do you mean you don’t have a taste for adventure?
 — For heaven’s sake, I hate danger. Danger is the most annoying aspect of our job… How can a simple technological fact be turned into an adventure?
 — But I suppose (E)you would be sorry not to go up?
 — Yes, but I would not get sick about it. I don’t understand those who get so anxious to be first. It’s all nonsense, just romanticism (F) of our rational age.
 — I know somebody who would go up even if he knew that he would not come back…
 — He is a child, not an adult. I would not agree to go up if I thought I might not come back. Unless it were technically necessary. Testing a jet is dangerous but technically necessary. Dying in space or on the moon is not necessary, and so if I had to choose, I’d choose death while testing a jet. Wouldn’t you?
 — No, I’d choose to die on the moon; (G) I would have seen it…
 — Nonsense! If it were a matter of staying there for a year or two, perhaps… no, no; it would be too high a price to pay. Because it is senseless! I’d better say goodbye now. I have to go into the centrifuge.
 — I don’t envy you, Mr.Armstrong.
 — Yes, it is unpleasant. Perhaps the thing I hate most. But it is (H)…
 And so it went. No wonder (I)many reporters found him depressing. Besides, it seemed impossible to sell him to the public. How do you make a folk hero of a man who is unwilling to (J)play the part?
 (注) astronaut 宇宙飛行士
     reflex 「反射神経」
     transfer 配置転換する
     centrifuge 訓練用遠心装置
     NASA 米国航空宇宙局
 

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[問題]

(1) 下線部(A)のthe experienceとは次のどれを指すか。その記号を記せ。
(ア) アポロ11号の打ち上げ
(イ) 宇宙飛行士としての訓練
(ウ) 打ち上げを報道したこと
(エ) Armstrongへのインタビュー
(オ) 他の二人の宇宙飛行士との会見
 
(2) 本文の趣旨を生かして下線部(B)をhow to ( )と書き換えるとすれば、その空所に補う1語は何が適当か。その1語を記せ。ただし、この下線部内の単語を用いてはならない。
 
(3) 空所(C)に補うのに最も適当な1語を記せ。
 
(4) 空所(D)に補うのに最も適当な単語を次の中から選ぶ、その記号を記せ。
(ア) finally
(イ) happily
(ウ) officially
(エ) simply
(オ) usually
 
(5) 下線部(E)と同じ意味になるように下の英語の空所に補うべき3語を記せ。
you would be sorry ( ) ( ) ( ) not to go up
 
(6) 空所(F)に補うのに最も適当な英語は次のどれか。その記号を記せ。
(ア) alien
(イ) characteristic
(ウ) despite
(エ) suggestive
(オ) unworthy
 
(7) 空所(G)に補うのに最も適当なものを次の中から選び、その記号を記せ。
(ア) as it is
(イ) at best
(ウ) at least
(エ) otherwise
(オ) rather
 
(8) 本文の趣旨に合うように、Armstrongの言葉の中から1語を選んで空所(H)に補うとすれば、何が最も適当か。その1語を記せ。
 
(9) 下線部(I)で書かれていることの理由として次のどれが最も適当か。その記号を記せ。
(ア) これからcentrifugeにはいらなければならないから
(イ) 記者団の相手をすることは自分の仕事だと考えていないから
(ウ) 話があまりにも理性的で、勇ましさや面白みに欠けるから
(エ) 一般には理解しにくい技術的な話題に終始したから
(オ) 月に行くことについて生命の危険を感じていたから
 
(11) 下線部(J)とほぼ同じ内容になるように、本文の中にある表現(2語)を選んで次の英語の空所に補うとすれば、何が最も適当か。その2語を記せ。
act like a ( ) ( )

 

[全訳]

歴史的なアポロ11号が7月の17日に打ち上げられる前、多くの記者達が宇宙飛行士の3人全員と会談した。しかし機長のニール・アームストロングにインタビューした記者達は、会談を済ますと、当惑したような、時にはいらだったような様子だった。ニールが無礼だったとか、イライラしていたとかいうことではない。全くそういうことではない。報道機関に対応するのは、宇宙飛行士の仕事の一部だった。T38ジェット機に乗って反射神経を鍛えたり、万が一ボルネオの森に不時着した時のためにどの蛇が食べられるか学ぶことと同様であった。それは義務だった。そしてニール・アームストロングは義務を怠る人間ではなかった。
 だったら記者達をうんざりさせたものはなんだったのか。そこには、もうすぐ人類で初めて月の塵を巻き上げる、いやむしろ塵に埋もれることになる人がいたのだ。我々のヒーロー、我々の誇り、我々の冒険者、科学技術時代のパイオニア。その彼が人類の全ての夢と恐怖を背負って宇宙に飛び出そうとしていたのである。
 「アームストロングさん、宇宙飛行士になったのは嬉しかったでしょう。」
 「私はもう既にNASAのテスト飛行士だったのです。私にとって宇宙飛行士に選ばれたのは転勤のようなものでした。」
 「あなたは冒険が嫌いと言うことですか。」
 「やめて下さいよ、私は危険をおかすのが嫌いなんです。危険を伴うのが我々の仕事の一番嫌な所なんです。どうして単なる技術的な事実が冒険といわれるものに変わったりするのでしょうか。」
 「しかし、打ち上げられなかったら残念でしょう。」
 「そうですね、でもイライラしたりはしないでしょう。一番に月に行きたがる人の気持ちは分からないんです。無意味ですよ。合理的な現代には価値のない、単なるロマンティシズムです。」
 「帰って来れないことを知っていても、飛び出そうという人もいますが。」
 「その人は子供なんでしょう。大人じゃない。私は帰って来れないだろうと思ったら、引き受けないでしょう。技術的に必要でない限りはね。ジェット機の試験は危険だが、技術的に必要なものです。でも、宇宙とか月で死ぬのは必要じゃない。だから、もしも私がどちらか選ばなきゃいけないんだったら、私はジェット機の試験中に死ぬことを選びますね。あなただってそうじゃないですか。」
 「いえ、私は月で死ぬことを選ぶでしょう。少なくとも月を見たことになりますし。」
 「無意味だ。もしも1、2年の間、月に滞在するんだったら、、多分、、いやいや、、そんな高い代償は払えないだろう。だって、無意味じゃないか。そろそろ行かないと。訓練用遠心装置に入らないといけないんです。」
 「お疲れさまです。」
 「ああ、嫌な訓練だよ。一番嫌いかもな。でも必要だからね。」
 こんな感じだった。多くの記者が彼が暗い人間だと思ったのは無理もない。さらに彼を大衆に売り込むことは不可能に思われた。その役柄を演じる気のない男をどうやって国民的ヒーローに出来るだろうか。

 

[解答]

  1. survive
  2. first
  3. if you were
  4. necessary
  5. folk hero

 

[単語テスト]

  • この単語テストは、上の問題文本文をよく読み、文中での意味を答えるようにすること。
  1. historic
  2. launch
  3. astronaut
  4. commander
  5. emerge from O C
  6. puzzled
  7. annoyed
  8. not that~
  9. unpleasant
  10. impatient
  11. reflex
  12. bother
  13. disturb the moon’s dust
  14. transfer
  15. have a taste
  16. for heaven’s sake
  17. get sick
  18. anxious to do
  19. romanticism
  20. rational age
  21. senseless
  22. centrifuge
  23. I don’t envy you.
  24. so it went
  25. no wonder~
  26. depressing
  27. besides
  28. play the part

 

[単語テストの解答]

  1. historic 歴史的な
  2. launch (ロケットの)発射
  3. astronaut 宇宙飛行士
  4. commander 指揮官→アポロ11号の機長
  5. emerge from O C Oを抜け出してCという状態になる
  6. puzzled 困惑した
  7. annoyed いらいらした
  8. not that~ 〜ということではない
  9. unpleasant 無愛想な、失礼な
  10. impatient 短気である、イライラしている
  11. reflex 反射神経
  12. bother 困らせる、悩ませる
  13. disturb the moon’s dust 安眠を妨害する→初めて月面着陸する
  14. transfer 転勤させる
  15. have a taste 好きである
  16. for heaven’s sake 一体全体
  17. get sick 嫌になる、うんざりする
  18. anxious to do 〜することを切望する
  19. romanticism ロマンティシズム、空想的な考え
  20. rational age 理性的な時代、合理的な考えが重視される時代
  21. senseless 無意味である
  22. centrifuge 訓練用遠心装置
  23. I don’t envy you. 羨ましくないです→大変ですね、お疲れ様です
  24. so it went こんな調子であった
  25. no wonder~ 〜であることは不思議でない、無理もない
  26. depressing (性格が)暗い、陰気な
  27. besides 加えて、さらに言えば、
  28. play the part 役割を演じる
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