京大過去問 1982年 第1問(英文和訳)
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【問題】
次の文を和訳せよ。
Nowadays we speak quite easily and naturally of the crisis through which our civilization is passing. Without questioning the assumption that we are in the midst of a crisis, I should like to ask whether this feeling of crisis is not something inseparable from human life in any historical period. The more closely we examine the past, the more we find that it, too, is uneasy with its own sense of historical crisis and urgency. Sometimes, in retrospect, these crises look illusory, for mankind has survived some of its worst apprehensions; and then we have to remind ourselves that these men and women of the past felt their crisis with the same intimate uneasiness with which we feel ours.
【単語】
- nowadays → この頃、最近(these daysよりもかたい表現)
- civilization → 文明
- without questioning~ → 〜はさておき、~に疑問を投げかけるのはおいておくとして
- assumption → 仮定、推定(根拠のないものについて言う)
- midst → 真ん中
- should like to → would like toと同じだが古くあまり使用されない表現
- inseparable → 不可分の
- historical period → 歴史上の期間、時代
- closely → 細部まで、注意して
- uneasy → 不安な
- urgency → 緊急性、切迫
- in retrospect → 振り返ってみると、後から見れば
- illusory → (形容詞)錯覚の、架空の
- mankind → 人類(性差別回避の観点から現在ではhumanity, mankindなどが用いられる)
- apprehension → 懸念、心配
- intimate → 心の奥底からの、親密な
- the same A with B → Bと同じA
【和訳】
今日我々は、自身の文明が経験している危機について、かなり容易にそして自然に語る。我々が危機のただ中にあるかどうかはさておき、歴史上どのような時代においても、こうした危機感が人間生活と不可分であったのかどうかについて問題にしたい。過去を精査すればするほど、その過去の時代も、独自の歴史的危機感や緊迫感で不安を覚えていたことが分かる。後になってみれば、そうした危機は幻想に思えることがある。というのも、人類はそうした最悪の不安をも切り抜けてきたからである。そしてそうした過去の男性や女性が、今我々が現代の危機に対して感じているものと同様の、心の底からの不安を伴って、彼らの時代の危機を憂いていたのだということを忘れてはならない。
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