東大過去問 2016年 第1問(要約)

/ 2月 24, 2020/ 東大過去問, 第1問(要約), 過去問/ 1 comments

【問題】

次の英文の要旨を、100~120字の日本語にまとめよ。句読点も字数に含める。

The notion of “imagined family” helps us to understand how group feelings can be extended beyond real family. Because humans evolved in small groups whose members were closely related, evolution favored a psychology designed to help out members of our close families. However, as human societies developed, cooperation between different groups became more important. By extending the language and sentiments of family to non-family, humans were able to create “imagined families” ― political and social communities able to undertake large-scale projects such as trade, self-government, and defense.
By itself, though, this concept still can’t explain why we consider all members of such a community to be equal. Imagined family differs from real family not only by the lack of genetic ties, but also by the lack of distinction between near and distant relatives. In general, all members of a brotherhood or motherland have equal status, at least in terms of group membership, whereas real family members have different degrees of relatedness and there is no fixed or firm way of defining family membership or boundaries. We need to search for a more fundamental factor that unites people and creates a strong bond among them.
At a deeper level, human communities are united by a well-known psychological bias which is believed to be universal. Studies of childhood development across cultures indicate that people everywhere tend to attribute certain essential qualities to human social categories such as race, ethnicity, or dress. This mental attitude has been used to generate notions of “in-group” versus “out-group,” and to give coherence to a group where initially there was none, dramatically enhancing the group’s chance of survival. However, this can also lead us to see an “out-group” as a different biological species, increasing the risk of hostility and conflict. Throughout history, and likely through human prehistory, people have routinely organized themselves to fight or dominate others by seeing them as belonging to a different species.

 

【単語】

 

 

【和訳】

「仮想の家族」という概念は、いかにして集団感覚が本当の家族を超えて拡張されうるかということを、私達が理解する一助になる。人類は近親者による小集団の中で進化してきたので、進化においては、身内の家族を助けるよう設定された心理が有利に働いた。しかし人間社会が発達するにつれ、別の集団と協業することがより重要になった。家族にまつわる言葉と感情を非家族まで拡張することによって、人は「仮想の家族」を作り上げることに成功した。それは政治的・社会的な共同体であり、それによって貿易・自治・防衛のような大規模なプロジェクトに着手できるようになった。
しかしこの概念だけでは、なぜ我々がそうした共同体のメンバー全てを対等だとみなすのかについて説明できない。仮想の家族は遺伝関係を欠いているという点だけでなく、近い親戚・遠い親戚という区別すら欠いている点においても、本当の家族と異なるのである。一般的に言って、ある団体に属するメンバー、あるいはある母国に属するメンバーというのは、少なくともグループに所属しているかどうかという点においては、皆対等である。一方で、本当の家族は関係性の遠近において程度の違いがあり、家族に所属しているかどうか、あるいはその境界は曖昧である。だから我々は、人々を結び付け人々の間に強い絆を結ぶ、より本質的な要因について考察する必要がある。
人の共同体はより深層において、普遍的だと考えられている、よく知られた心理バイアスによって結ばれている。様々な文化にまたがる児童発達の研究によって、どの文化においても人々は、ある種の基本的な性質を、人種・民族・服装のような社会的カテゴリによって判断する傾向があることが分かった。こうした精神的な態度が「仲間内」対「仲間外れ」という概念を生み出す元となる。そしてそのグループに以前は存在しなかった求心力をもたらし、それによってグループが存続する確率が劇的に高まるのである。しかしこのことによって、我々は「仲間外れ」を生物的に別の種であるとみなすようになり、敵意と敵対の危険が高まる。我々は歴史上ずっと、いやおそらく有史以前も、我々自身をグループ化し、他者を別種に属する者達とみなすことによって、他者と争い支配してきたのである。
 

【要約】

家族の概念が非家族にまで拡張されることで、より大きな共同体が発生し、人類の発展に寄与したと見ることもできる。しかしその根底には、先入観によりグループの内外を明確に区分するという、人類に普遍の心理的な傾向が存在し、争いの元ともなってきた。(118字)

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1 Comment

  1. 人は皆、進化の過程で、仮想家族という実家族を拡張した概念である共同体に、自分の本質的な特性を帰属させることで、その構成員を団結させ、平等に扱ってきた。その反面、集団外の者を別の生物種としてみなし、闘争、支配した。(106字)

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