東大過去問 2013年 第4問(和訳)

/ 2月 6, 2020/ 第4問(和訳), 東大過去問, 過去問/ 0 comments

【問題】

次の英文の下線部①と②を和訳せよ。 ただし①についてはtheir current onesの内容が分かるように訳せ。 また下線部③について、そこで使われているたとえは具体的に何を言おうとしているのか、その内容をわかりやすく30〜40字で説明せよ。句読点も字数に含める。
 
A general limitation of the human mind is its imperfect ability to reconstruct past states of knowledge or beliefs that have changed. Once you adopt a new view of the world (or of any part of it), you immediately lose much of your ability to recall what you used to believe before your mind changed.
Many psychologists have studied what happens when people change their minds. Choosing a topic on which people’s minds are not completely made up ― say, the death penalty ― the experimenter carefully measures the subjects’ attitudes. Next, the participants see or hear a persuasive message either for or against it. Then the experimenter measures their attitudes again; those attitudes usually are closer to the persuasive message that the subjects were exposed to. Finally, the participants report the opinion they held beforehand. This task turns out to be surprisingly difficult. Asked to reconstruct their former beliefs, people repeat their current ones instead ― an instance of substitution ― and many cannot believe that they ever felt differently. Your inability to reconstruct past beliefs will inevitably cause you to underestimate the extent to which you were surprised by past events.
Because of this “I-knew-it-all-along” effect, we are prone to blame decision-makers for good decisions that worked out badly and to give them too little credit for successful moves that appear obvious only after the fact. When the outcomes are bad, people blame their decision-makers for not seeing the signs, forgetting that they were written in invisible ink that became visible only afterward.

 

【単語】

 

 

【和訳】

人間の知能の一般的な限界とは、改変されてしまった知識や信念を、以前の状態に再現する能力が不足している事である。一度世界に対して(あるいは世界のどの部分に対してでも)新しい見方を採用するやいなや、考えが変わる前の、かつて信じていたものを思い出す事がほとんどできなくなってしまう。
多くの心理学者が、人々が意見を変えるときに何が起きているのかを研究してきた。人々の意見が完全に固まっていない(例えば死刑のような)トピックを選び、実験者は慎重に被験者の見解を調査していく。次に参加者は、説得力のある肯定的な意見、あるいは否定的な意味を見聞きする。その後に実験者はもう一度、彼らの見解を調査する。すると被験者らの見解は普通、聞かされた説得力のあるメッセージに近付いている。最後に参加者は、参加する前に持っていた意見を報告するのだが、このタスクは驚くほど難しいことだと分かる。以前の信念を再現するように指示されているのに、彼らはその代わりに、現在の信念を繰り返してしまうのである。これは代替の一例であり、ほとんどの人は自分が以前違った意見であったことを信じる事ができないのである。過去の信念を再現することができないために、必然的に、過去の出来事に驚かされた度合いを過小評価することになる。
この「私は最初からそれを分かってた」効果が原因で、賢明な判断を下したのにも関わらず、それが結局上手くいかないと、我々はその意思決定者を非難する傾向にある。またある措置が上手くいったにも関わらず、それが後になってみれば当然のもののように思える場合、意思決定者に十分な評価を与えないという傾向もある。結果が悪ければ、人々はその兆候を見逃したのだとして、意思決定者を非難するのである。その時人々は、その兆候が事後にのみ可視化される、見えないインクで書かれていたということを忘れているのである。

 

【解答】

① 以前の信念を再現するように指示されているのに、彼らはその代わりに、現在の信念を繰り返してしまうのである。
② 過去の信念を再現することができないために、必然的に、過去の出来事に驚かされた度合いを過小評価することになる。
③ ある意思決定が正しいかどうかは、事後においてのみ明白になるということ。(35字)

(Visited 3,174 times, 3 visits today)
Share this Post

Leave a Comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

*
*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)