東大過去問 2008年 第1問(要約)

/ 2月 23, 2020/ 東大過去問, 第1問(要約), 過去問/ 2 comments

【問題】

次の英文の内容を、70~80字の日本語に要約せよ。句読点も字数に含める。

One serious question about faces is whether we can find attractive or even pleasant-looking someone of whom we cannot approve. We generally give more weight to moral judgements than to judgements about how people look, or at least most of us do most of the time. So when confronted by a person one has a low moral opinion of, perhaps the best that one can say is that he or she looks nice ー and one is likely to add that this is only a surface impression. What we in fact seem to be doing is reading backward, from knowledge of a person’s past behavior to evidence of that behavior in his or her face.
We need to be cautious in assuming that outer appearance and inner self have any immediate relation to each other. It is in fact extremely difficult to draw any conclusions we can trust from our judgements of a person’s appearance alone, and often, as we gain more knowledge of the person, we can discover how wrong our initial judgements were. During Hitler’s rise and early years in power, hardly anyone detected the inhumanity that we now see so clearly in his face. There is nothing necessarily evil about the appearance of a small man with a mustache and exaggerated bodily movements. The description would apply equally well to the famous comedian Charlie Chaplin, whose gestures and mustache provoke laughter and sympathy. Indeed, in a well-known film Chaplin plays the roles of both ordinary man and wicked political leader in so similar a way that it is impossible to tell them apart.

 

【単語】

 

 

【和訳】

我々がある人物の人間性を認められない時、その人の顔を魅力的、あるいは好感が持てるなどと感じる事ができるだろうか、というのは一つの大きな疑問である。人は一般に見た目よりも道徳的判断を重視する。少なくともほとんどの人がほとんどの場合そうしている。だから道徳的に低く評価している相手と出会った時にできる事といえば、「あの人はかっこいいね、きれいだね」と言うのがせいぜいで、「表面的な印象だけどね」と付け加える事になるだろう。実際私達は、裏側から読み取る、という事をしているようだ。つまり過去にその人が何をしたかを知り、その行動の証拠を顔に探し求めるのである。
人の見た目と内面は直接の関係があると考えるのはいささか危険である。実際、人の見た目だけで信頼に足る判断を下すのは極めて難しい。その人の事をよく知ると、最初の判断が的外れだった事に気がつく、というのはよくある話である。現在の私達はヒトラーの顔に明らかな非人間性を認めるのだが、彼の登場時と政権の初期、それに気付く人はほとんどいなかったのである。大袈裟な身振りの、口髭を蓄えた、小柄な男という見た目だけでは、必ずしも悪人という事にはならないからである。この見た目は有名なコメディアンのチャップリンにもそのまま当てはまるのだが、彼の身振りや口髭は、笑いと共感を生むではないか。実際、チャップリンは有名な映画の中で、普通の男と邪悪な政治家の役をほとんど同様に演じているので、その二者を見分けられないほどなのである。

 

【要約】

人の外見に対する評価は、その人物の人間性に対する評価によって変化する。また人の外見と内面には直接的な関係はないので、外見だけで人間性を判断することはできない。(79字)

 

【解説】

まとめるのが難しい問題。多くの人が陥りがちな、内面と外面に関する2つの過誤について、2つの段落のそれぞれで述べている。

1つ目の段落では、我々は他人の外見を、実は外見のみで判断せず、道徳的な評価(内面・人間性に対する評価)によって判断している、ということが述べられる。例えば好きになれない人の顔は魅力的に見えないというようなことである。しかし、そうした『reading backward(裏側からの読み取り)』について、多くの人は自覚していない。

2つ目の段落では、我々は他人の外見から内面をも読み取れると勘違いしていることと、その危険性が述べられる。外見的な第一印象から、その人の内面をも分かったつもりになることがあるが、後にその人の内面をよく知ると、最初の判断は間違いであると気付く。そして内面を知ることによって、外見への評価もまた変わってくる(これが第一段落の内容)。

無理に順序をつけるのであれば、『第一印象で外見から内面を判断してしまう』→『内面を実際に知って、最初の判断が間違いだと気付く』→『内面を知って、外見への評価も変化する』という、第2段落から第1段落に戻る流れになる。

したがって、1段落目と2段落目は本来同じことを言っているはずなのだが、論理の流れが微妙にずれて、込み入っているように感じられるので、80字でまとめるのが難しい。

上記のような『順序』を軸に(少し無理をして)まとめるのであれば、

『人の内面と外見は本来関係ないので、ある人の内面について知る過程で、第一印象が間違いであったと気付くことが多い。その際、その人の外見に対する評価までも変化する。(79字)』

この要約は本文と順序が逆になっており、また後半が取ってつけた感じになる。

あるいは『人が陥りがちな過ち』という視点を軸に(これもまた少し無理をして)まとまるのであれば、

『人は、他人の内面に対する道徳的好悪によって外見に対する評価を変えたり、外見だけで他人の人間性を判断したりするが、実際には外見と内面は無関係である。(73字)』

このまとめ方がすっきりしない原因は、『外見から内面を判断すること』に対しては筆者も批判的だが、『他人の内面に対する好悪によって外見に対する評価を変えること』自体は、人間なら誰でも無意識にしていることで、悪いことではないからである。その辺りの匙加減をどのように表現するかが難しい。

第1段落と第2段落を無理に結びつけようとせず、シンプルにそれぞれの段落をまとめると、上記の【要約】に記載した解答例のようになる。これが最もしっくりくる上、作者の意図した順序でもあるので、この解答例を採用した。

いずれにしても『外見と人格は関係ない(したがって外見から人格を判断することはできない)』『外見への評価は内面への評価によって変化する』の2点が書かれていればよい。

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2 Comments

  1. 人物を判断するとき、容姿よりも内面に重きを置くと多くの人が考えている。実際に、相手のことを知れば知るほど、容姿についても最初の印象と違って見えることがある。(78字)

  2. 人の外見と内面には直接的な関連性がない為、外見の第一印象からその他人の内面が信頼できるか否かの判断を下すことは非常に難しいし、注意すべきである。(72字)

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