manyとoldが前からtemplesを修飾し、to visitが後ろからtemplesを修飾している。

このように形容詞は名詞の前に置き、to不定詞の形容詞的用法は名詞の後ろに置いて、名詞を修飾します。

このように１つの名詞を形容詞とto不定詞の両方で修飾することもできます。その場合、『（形容詞）＋（名詞）＋（to不定詞）』の語順になります。

直訳すると『彼女は彼女を助けるような友達を持っていない』となります。これを少し自然にすると解答のようになります。

to不定詞はもともと動詞であったものにtoを付けることによって、名詞・形容詞・副詞のいずれかの役割をさせるものです。つまりto不定詞はもともと動詞なので、目的語や副詞句などを後ろに続けることができます。
         • There are many people (to use iPhone).（iPhoneを使っている多くの人がいる） [目的語が続く]
         • There are many people (to drive wildly). （乱暴に運転をする多くの人がいる）[副詞が続く]
         • There are many people (to live by themselves). （一人で暮らす多くの人がいる）[前置詞句が続く]

『句』というのは『意味のかたまり』のことなので、この設問のように『to不定詞句』といえば、to不定詞に続く目的語や副詞句などまで含めて考えることが普通です。

直訳すると『飲むための冷たい何かを私に下さい』となります。これを少し自然にすると解答のようになります。

『something to drink（飲むための何か）』は『飲み物』と訳せば良いでしょう。

例題１、２の解説で『普通の形容詞は修飾する名詞の前に置く』と言いました。しかし修飾される側の名詞がsomething, anything, nothingなどの『thing系の名詞』の場合、それを修飾する形容詞は後ろに置きます。

この例題の英文の場合、somethingという名詞が『thing系の名詞』であるため、coldという形容詞を後ろに置いています。

こうした場合でも『to不定詞の形容詞的用法は修飾する名詞の後ろに置く』ということは変わりません。ただし、繰り下がってきた普通の形容詞よりも後ろに置きます。つまり『（名詞）＋（形容詞）＋（to不定詞）』の語順になります。

修飾されるものが普通の名詞の場合と『thing系の名詞』の場合の語順の違いに気を付けてください。
         • Give me cold water (to drink).（飲むための冷たい水を下さい）[普通の名詞]
         • Give me something cold (to drink). （飲むための冷たい何かを下さい）[thing系の名詞]

something（何か）は疑問文の中では通常anythingになります。疑問文でもanythingにならない場合もありますが、それは後述します。

anythingが『thing系の名詞』なので、形容詞（この場合のhot）は後ろから掛かります。この『（名詞）＋（形容詞）＋（to不定詞）』の語順に注意して下さい。

『違った飲み物』を『飲むための違った何か』と読み換えて『something different to drink』とします。語順に注意して下さい。

この回のテーマである『to不定詞の形容詞的用法』ではなくなりますが、『別解：I want to drink something different.』 でも可です。この別解のto不定詞は名詞的用法です。

『a house to live in』は『住むべき家』『住むための家』です。それをシンプルにして『住む家』と訳しています。

住むべき家は『a house to live』ではなく、『a house to live in』でなくてはなりません。なぜでしょうか。この問題は入試でも頻出なので、この下でじっくりと解説します。まずは『to不定詞の周辺に想定されている文を復元する』ということをします。少し難しいと感じるかもしれませんが、チャレンジして見て下さい。

この文の不定詞の『to live』を不定詞でなく、普通の動詞として使うと、[The homeless man]+[live]+[in a house]というような文ができると考えられます。こうしてto不定詞の周辺に別の文を考えることは、構造を理解する上で大切です。こうして作った文では、時制や修飾語などの細かい点は深く考えなくて構いません。

『live』という動詞の（意味上の）主語は何かと考えると、『the homeless man』ですね。住むのは家ではなく男なので、主語は『house』ではなく『the homeless man』です。『家が』住むわけありませんね。『男が』住むんです。

そして『live』と『a house』の関係を考えると、『live in a house（その家に住む）』ですね。『live a house』ということはできません。これはliveが自動詞だからです。

『live』と『a house』の関係を考えると、『a house』が『live』の直後に置かれていたわけではなく、『in』という前置詞を介して繋がっているんですね。つまり『a house』はもともと前置詞の目的語だったわけです。こうした場合、『live』をto不定詞にして『a house』に掛ける形にした場合でも、『in』はそのまま残るということになります。

(1)においては『friends help her.（友達が彼女を助ける）』という文が想定されます。helpの意味上の主語は『she』ではなく『friends』であることに注意して下さい。こうしてできた文において『friends』は主語ですね。

こうして作った文は、語と語の関係が正しければ、細かい文法や修飾語にこだわる必要はありません。ですから(1)の『friends』の部分は『No friends』でも『friend』でも構いません。解答では『f』をわざと小文字のままにしていますが、これは復元された文が正確な文法に基づいていないことを示すためなので、別に大文字で書いてもらっても構いません。

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(2)においては『I do homework.（私は宿題をする）』という文が想定されています。doの主語は『homework』ではなく『I』です。『宿題が』するわけありませんね。『私が』『宿題を』するんです。こうしてできた文において『homework』は目的語ですね。

『homework』は『some homework』でも構いません。

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(3)においては『he play with brothers.（彼は兄弟と遊ぶ）』という文が想定されています。こうしてできた文において、『brothers』は前置詞の目的語ですね。前置詞の目的語とは前置詞の後ろにくる名詞のことです。

『brothers』は『many brothers』でも構いませんし、『play』は『played』でも構いません。

難しいですね。眠くなりますね。分かります。でもこうした細部に文法の醍醐味があるんですよ。またこうして準動詞（to不定詞のようにもともと動詞であったもの）の周辺に想定されている文を復元することは、英文法において欠かせないことなんです。