東大過去問 2022年 第1問A(要約)

/ 3月 8, 2022/ 第1問(要約), 東大過去問, 難易度★★, 過去問/ 0 comments

【問題】

以下の英文を読み、その内容を70~80字の日本語で要約せよ。句読点も字数に含める。

Table manners are as old as human society itself, the reason being that no human society can exist without them. The active sharing of food — not consuming all the food we find on the spot, but carrying some back home and then giving it out systematically — is believed, even nowadays, to lie at the root of what makes us different from animals. Birds, dogs, and hyenas carry home food for their young until they are ready to find for themselves, and chimpanzees may even demand and receive pieces of meat from other adults in their group. (Chimpanzees apparently exhibit this behaviour only on the occasions when they consume meat; their main, vegetable diet they almost invariably eat where they find it, without sharing.) Only people actively, regularly, and continuously work on the distribution of their food.
This activity is based on and probably helped give rise to many basic human characteristics, such as family and community (who belongs with whom; which people eat together), language (for discussing food past, present, and future, for planning the acquisition of food, and deciding how to divide it while preventing fights), technology (how to kill, cut, keep, and carry), and morality (what is a fair portion?). The basic need of our stomachs for food continues to supply a good deal of the driving force behind all of human enterprise: we have to hunt for food, fight for it, find it, or sow it and wait for it to be ready; we then have to transport it, and distribute it before it goes rotten. It is in addition easier for us to consume food chopped, ground, cooked, or left to soften. Civilization itself cannot begin until a food supply is assured. And where food is concerned we can never stop; appetite keeps us at it.
The active sharing out of what we are going to eat is only the beginning. We cannot help being choosy about our food: preference enters into every mouthful we consume. We play with food, show off with it, hon our and despise it. The main rules about eating are simple: if you do not eat you die; and no matter how large your dinner, you will soon be hungry again. Precisely because we must both eat and keep on eating, human beings have poured enormous effort into making food more than itself, so that it bears multiple meanings beyond its primary purpose of physical nutrition.
 

【和訳】

テーブルマナーは人間社会そのものと同じくらい古いものである。というのも、テーブルマナーのない人間社会は存在しえないからである。積極的な食べ物の分配、つまり見つけた食べ物をその場で全て消費するのではなく、一部を持ち帰りシステマティックに配分することは、人間を他の動物と区別する特徴の基礎をなしていると、現在でも信じられている。鳥や犬やハイエナは、子供が自分で餌を見つけられるようになるまで餌を持ち帰るし、チンパンジーは、群れの他の大人に対して肉を要求し分けてもらうことさえある。(チンパンジーは肉を食べる時だけこうした行動を見せるそうである。彼らの主食である植物食に関しては、ほとんどの場合見つけた場で食べてしまい、分けることはない。)積極的・定期的・継続的に食べ物の分配に取り組むのは人間だけなのである。
この行動は多くの基本的な人間の特性に基づいているし、おそらくそれを形成する元ともなっている。そうした人間の特性とは例えば、家族とコミュニティ(誰が誰と結び付いており、どういった人々が食事を共にするのか)、言語(食べ物の過去と現在と未来を相談し、食べ物の獲得をプランニングし、争いを避けながらいかにそれを分配するかを決定するためのもの)、技術(いかに獲物を仕留め、切り分け、保存し、運搬するか)、そして道徳律(正当な分け前はどれほどか)である。食事をして腹を満たす事は不可欠なので、人のあらゆる企ての背後にある旺盛な意欲は尽きることがない。我々は食べ物のために狩りをし、戦い、見つけ出し、種をまき、熟すまで待たねばならない。次にそれを運搬し、腐る前に分配しなくてはならない。さらに食べ物は切り分けて、粉に挽き、調理し、柔らかくなるように熟成させた方が食べやすい。文明自体、食料の供給が保証されて初めて起こりうるものである。そして食べ物に関する限り、人は立ち止まることができない。食欲が我々を駆り立て続けるからである。
食べようとしているものを積極的に分けあう、というのは始まりにすぎない。我々は食べ物に関しての好き嫌いが必ずある。我々が食べる一口毎に嗜好が関わってくるのである。我々は食べ物で遊び、見せびらかし、敬い、軽蔑する。食事に関して根幹をなすいくつかのルールはシンプルである。つまり食べねば死ぬということであり、どれほどたらふく食べたとしても、またすぐに腹が空くということである。我々は食べねばならないし、食べ続けなければならないという現実がまさに原因となって、人間は食べ物を食料以上のものとすることに心血を注いできたのであり、結果として食事は肉体的な栄養という本来の目的を逸脱し、複合的な意味を有するに至っているのである。
 

【解答例】

積極的な食の分配は人間の特性である。その必要性が人間のあらゆる活動の原動力であり、文明の基礎であるがゆえに、食は栄養摂取以上の様々な意味を持つに至っている。(78字)
 

【難単語・難熟語】

  • on the spot → 即座に
  • A lie at the root of B → AはBの根底にある、AはBの基礎となっている
  • give out → 配る、配布する
  • systematically → 体系的に、計画的に、組織的に
  • hyena → ハイエナ
  • apparently → (自分が直接確認していない情報を伝える時に)どうも〜らしい、外見上は
  • occasion → 機会、場合
  • consume → 飲み食いする、消費する、この文では『食べる』という意味。
  • invariably → いつも(=always)、きまって
  • continuously → 絶え間なく、連続して
  • work on A → Aに取り組む
  • acquisition → 獲得
  • morality → 道徳、倫理、道徳律
  • portion → 一人前の食べ物の量、分け前
  • a good deal of A → 多量のA
  • driving force → 原動力、推進力
  • enterprise → (困難な)仕事、企て、冒険心
  • sow → 種をまく
  • be ready → この文では『まいた種が育ち食べられる状態になる』ということ。
  • distribute → 分配する
  • rotten → 腐った
  • chop → 叩き切る
  • ground → grind『(穀物などを)挽く』の過去形・過去分詞形、名詞のground『地面』とは別の単語なので注意。
  • civilization → 文明
  • assure → 保証する
  • where A is concerned → (=as far as A is concerned)Aに関する限り
  • A keep B at C → AがBにC(という退屈な仕事を)やらせ続ける
  • appetite → 食欲
  • choosy → 選り好みする、好みがうるさい
  • cannot help doing → 〜せずにいられない
  • mouthful → 一口の量
  • A enter into B → AがBに入ってくる、AがBの対象となる
  • show off → 見せびらかす
  • honour → 敬意を表する、光栄に思う
  • despise → 軽蔑する
  • precisely because~ → まさに〜が原因で
  • pour → 注ぐ、投資する
  • ,so that~ → (通例カンマの後で)その結果〜
  • bear → (動詞)担う、有する
  • multiple → 多様な
  • primary → 主要な、最初の、本来の
  • physical → 肉体の、物質的な、物理的な
 

【読解・解答のポイント】

  • 文章のテーマが『食べ物の分配』であることは明らかで、大きくポイントのずれた要約を書く生徒は少ないと思われる。英文自体も難しくないので、点差が付きにくい問題。
  • 要約の方針としては、各段落に書かれていることをまとめて解答に集約するだけだが、字数が厳しいので書く順序を工夫し調整しないと上手く収まらない。その調整過程で言い過ぎる部分や矛盾が出ないように注意が必要。また要素を詰め込みすぎると意味が分かりにくくなりがちなので、一読して言いたいことが伝わる文になっているかどうか確認するとよい。
  • なお要約では第1段落に書かれていることにとらわれる生徒が多いが、この問題では第1段落の内容が薄いので、字数を割きすぎないように注意が必要。
第1段落 Table manners are as old as human society itself, the reason being that no human society can exist without them. The active sharing of food — not consuming all the food we find on the spot, but carrying some back home and then giving it out systematically — is believed, even nowadays, to lie at the root of what makes us different from animals. Birds, dogs, and hyenas carry home food for their young until they are ready to find for themselves, and chimpanzees may even demand and receive pieces of meat from other adults in their group. (Chimpanzees apparently exhibit this behaviour only on the occasions when they consume meat; their main, vegetable diet they almost invariably eat where they find it, without sharing.) Only people actively, regularly, and continuously work on the distribution of their food.

テーブルマナーは人間社会そのものと同じくらい古いものである。というのも、テーブルマナーのない人間社会は存在しえないからである。積極的な食べ物の分配、つまり見つけた食べ物をその場で全て消費するのではなく、一部を持ち帰りシステマティックに配分することは、人間を他の動物と区別する特徴の基礎をなしていると、現在でも信じられている。鳥や犬やハイエナは、子供が自分で餌を見つけられるようになるまで餌を持ち帰るし、チンパンジーは、群れの他の大人に対して肉を要求し分けてもらうことさえある。(チンパンジーは肉を食べる時だけこうした行動を見せるそうである。彼らの主食である植物食に関しては、ほとんどの場合見つけた場で食べてしまい、分けることはない。)積極的・定期的・継続的に食べ物の分配に取り組むのは人間だけなのである。




 

第2段落 This activity is based on and probably helped give rise to many basic human characteristics, such as family and community (who belongs with whom; which people eat together), language (for discussing food past, present, and future, for planning the acquisition of food, and deciding how to divide it while preventing fights), technology (how to kill, cut, keep, and carry), and morality (what is a fair portion?). The basic need of our stomachs for food continues to supply a good deal of the driving force behind all of human enterprise: we have to hunt for food, fight for it, find it, or sow it and wait for it to be ready; we then have to transport it, and distribute it before it goes rotten. It is in addition easier for us to consume food chopped, ground, cooked, or left to soften. Civilization itself cannot begin until a food supply is assured. And where food is concerned we can never stop; appetite keeps us at it.

この行動は多くの基本的な人間の特性に基づいているし、おそらくそれを形成する元ともなっている。そうした人間の特性とは例えば、家族とコミュニティ(誰が誰と結び付いており、どういった人々が食事を共にするのか)、言語(食べ物の過去と現在と未来を相談し、食べ物の獲得をプランニングし、争いを避けながらいかにそれを分配するかを決定するためのもの)、技術(いかに獲物を仕留め、切り分け、保存し、運搬するか)、そして道徳律(正当な分け前はどれほどか)である。食事をして腹を満たす事は不可欠なので、人のあらゆる企ての背後にある旺盛な意欲は尽きることがない。我々は食べ物のために狩りをし、戦い、見つけ出し、種をまき、熟すまで待たねばならない。次にそれを運搬し、腐る前に分配しなくてはならない。さらに食べ物は切り分けて、粉に挽き、調理し、柔らかくなるように熟成させた方が食べやすい。文明自体、食料の供給が保証されて初めて起こりうるものである。そして食べ物に関する限り、人は立ち止まることができない。食欲が我々を駆り立て続けるからである。






 

第3段落 The active sharing out of what we are going to eat is only the beginning. We cannot help being choosy about our food: preference enters into every mouthful we consume. We play with food, show off with it, hon our and despise it. The main rules about eating are simple: if you do not eat you die; and no matter how large your dinner, you will soon be hungry again. Precisely because we must both eat and keep on eating, human beings have poured enormous effort into making food more than itself, so that it bears multiple meanings beyond its primary purpose of physical nutrition.

食べようとしているものを積極的に分けあう、というのは始まりにすぎない。我々は食べ物に関しての好き嫌いが必ずある。我々が食べる一口毎に嗜好が関わってくるのである。我々は食べ物で遊び、見せびらかし、敬い、軽蔑する。食事に関して根幹をなすいくつかのルールはシンプルである。つまり食べねば死ぬということであり、どれほどたらふく食べたとしても、またすぐに腹が空くということである。我々は食べねばならないし、食べ続けなければならないという現実がまさに原因となって、人間は食べ物を食料以上のものとすることに心血を注いできたのであり、結果として食事は肉体的な栄養という本来の目的を逸脱し、複合的な意味を有するに至っているのである。





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