ESL-Podcast (380) でリスニング(和訳あり)
380回は派遣スタッフについてですね。派遣社員が来ることに不満な女性社員。正社員を減らして経費削減をしているのはアメリカでも同じようです。その経費削減のしわ寄せを受けるのは、いつも現場なわけで・・・
Bethany: I just talked to Steve about hiring replacements for Cyril, who quit last month and for Megan, who is leaving at the end of this week. Do you know what he told me? He doesn’t want to hire permanent replacements. He wants to make do with temps!
Enrique: I can see it from Steve’s perspective. The economy isn’t so good right now and maybe he’s not sure if we can afford full-time replacements.
ESL-Podcastとは
このサイトに飛んで音声をダウンロードする必要があります。有料ですが、それだけの価値があると思います。怪しいサイトでもないので安心です。
とても有名なリスニング教材ですね。まとまった対話文が読まれ、Jeffが解説してくれます。全て英語ですが、とてもゆっくり、平易に説明してくれるので、英語中級者でも分かりやすいです。MARCHレベル以上の大学を受ける人にぴったりですね。東大を受験するなら、このくらいは聴き取れるようになりたいものです。とはいえ、かなり優秀な生徒でも最初は聴き取れず、苦戦するでしょう。でもくじけず聴き続ければ、少しずつ聞き取れるようになってきます。
①ゆっくりと話してくれること
②受験用のリスニング教材と違って面白い(Jeffの人柄や、アメリカの雰囲気が感じられること、話題が豊富であること)
③豊富な語彙が出てくる
④英語の短い対話文→英語での解説という流れがよい(日本語が出てこないのがいい)
⑤一回分がちょうどいい量
僕はESL-Podcastの回し者でもなんでもないですw でも僕は大学受験からTOEIC、TOEFL、ビジネス英語まで、リスニング教材はこれだけで十分とすら考えています。実際、世界中で超定番の英語リスニング教材になっています。最近有料になってしまったのですが、安心できる組織が運営しているので、「聞き流すだけで英語ができる」などと謳う怪しげな組織の高額な教材よりずっといいでしょう。20~30分の教材が全部で1800話ほど配信されているのですが、ESL-Podcastの中の、SELECT ENGLISHというコースは、15ドルで好きなエピソードを自由に15本選んで聴けるので、お試しによいかと思います。スクリプトと和訳があった方が勉強しやすいという方は、僕が紹介している回をダウンロードして聴いてもらうとスムーズでしょう。
①上のリンクからESL-Podcastに飛ぶ
②ホームページ上部のSelect Englishのタブから、Learn Moreをクリック
③画面下のBUYのボタンをクリック
④クレジットカードなどの情報を入力(クレジットカードかPAYPALでの支払いなので学生ならば、親に頼みましょう)
これは僕の生徒の高校生にも聴かせています。特に気を付ける様に言っているのが、単語を一つ一つ読むのと、文章としてつなげて読むのでは、発音が違うということです。それを実感するために、一番下にある画像のように、スクリプトに記号や発音を書き込ませています。リスニングができない人にとっての一番の壁は、「早すぎて聴き取れないこと」と「単語間のつながりの発音が理解できていない」ことです。
次のような手順で勉強してみてください。
①とにかく何も見ずに聴く(おすすめは頭を使わない作業をしながら聴くこと、机に座って聴いていると気が散ってしまいます。全然聴き取れなくても気にしないでください。みんな最初はそうです。)
②スクリプトを見ながら分からない単語を調べて、意味をとる
③印刷したスクリプトを見ながら、対話を聴きなおし、アクセント記号・発音・音のつながりで聞き取りにくいところに書きこみをする(この記事の下部の画像のように。日本語で書いてあるところは、もちろん日本語の発音そのままではありません。自分で聴いて、自分なりにこう聴こえるというのをメモすることが大切です。)
④一文ずつ、ネイティブと同じ発音、つながり、スピード、表情で読めるように練習する。できればスクリプトを見ないで、(全文を一気に暗記する必要はない、その一文だけ、そのときだけで大丈夫です)言えるまで練習するといいです。
スクリプト
Bethany: I just talked to Steve about hiring replacements for Cyril, who quit last month and for Megan, who is leaving at the end of this week. Do you know what he told me? He doesn’t want to hire permanent replacements. He wants to make do with temps!
Enrique: I can see it from Steve’s perspective. The economy isn’t so good right now and maybe he’s not sure if we can afford full-time replacements.
Bethany: But how am I suppose to staff the office to cover all of the work that needs to be done with temps!
Enrique: Don’t undervalue temps. Many of them are very skilled and you may be surprised at how well they do. I should know. I worked as a temp right after graduating from college.
Bethany: You did? I didn’t know that. But you went to a great school. I’m surprised you had trouble landing a full-time job.
Enrique: Actually, I was offered a full-time job before I graduated, but I turned it down. I decided I wanted to test the waters in a few different companies before deciding on where I wanted to work. In retrospect, it was the best thing I could have done.
Bethany: You didn’t miss the job security?
Enrique: Yeah, I did, but there are other perks to working as a temp. I got offered permanent jobs with two of the companies I temped for. That’s how I got my first full-time job. Working there was the best way to get my foot in the door.
Bethany: Well, thanks for the fresh perspective. Maybe working with temps won’t be so bad.
Enrique: I hope not. And if they get out of line, just tell me and I’ll set them straight.
Bethany: Yeah, right.
和訳
Bethany: I just talked to Steve about hiring replacements for Cyril, who quit last month and for Megan, who is leaving at the end of this week. Do you know what he told me? He doesn’t want to hire permanent replacements. He wants to make do with temps! (先月やめたシリルと、今週末やめる予定のミーガンの代わりを雇うように、たった今スティーブに話してきました。彼がなんていったと思います?正社員は雇いたくないんですって。臨時社員で間に合わせようとしてるんです。)
Enrique: I can see it from Steve’s perspective. The economy isn’t so good right now and maybe he’s not sure if we can afford full-time replacements. (僕はスティーブの考えも分かりますよ。今は景気が良くないから、うちの会社が正社員の後釜を雇う余裕があるかどうか、不安に思ってるのかもしれない。)
Bethany: But how am I suppose to staff the office to cover all of the work that needs to be done with temps! (でもどうやってオフィスを回していけっていうんでしょう?必要な業務を全部カバーするのに、臨時社員と一緒にだなんて。)
Enrique: Don’t undervalue temps. Many of them are very skilled and you may be surprised at how well they do. I should know. I worked as a temp right after graduating from college. (臨時社員を過小評価してはいけないよ。彼らの多くはとても熟練で、彼らがどんなに優秀か、君は驚くかもしれないよ。僕には分かるんだ。だって大学を卒業した直後、僕は臨時社員として働いていたんだからね。)
Bethany: You did? I didn’t know that. But you went to a great school. I’m surprised you had trouble landing a full-time job. (あなたが?それは知らなかったです。でもあなたはいい大学出てるじゃないですか。あなたが正社員の職に困っていたなんて驚きなんですが。)
Enrique: Actually, I was offered a full-time job before I graduated, but I turned it down. I decided I wanted to test the waters in a few different companies before deciding on where I wanted to work. In retrospect, it was the best thing I could have done. (実を言うと、卒業前に内定は貰っていたんだよ。でも断ったんだ。というのも働く場所を決める前に、いくつかの会社で下調べをしてみたいと思ったんだ。今になって思えば、最高の決断だったね。)
Bethany: You didn’t miss the job security? (雇用保障を失うのが怖くなかったんですか?)
Enrique: Yeah, I did, but there are other perks to working as a temp. I got offered permanent jobs with two of the companies I temped for. That’s how I got my first full-time job. Working there was the best way to get my foot in the door. (そりゃあ、雇用保障は失ったよ。でも臨時社員として働くのは、他の利点があるからね。僕が臨時社員として働いていた2つの会社から、正社員のオファーを受けたんだよ。そうやって僕は最初の正社員の職を得たんだ。あそこで働いたのは、その業界で第一歩を踏み出すのに一番いい方法だったよ。)
Bethany: Well, thanks for the fresh perspective. Maybe working with temps won’t be so bad. (フレッシュな意見をありがとうございます。臨時社員と働くのもそれほど悪くないのかもしれませんね。)
Enrique: I hope not. And if they get out of line, just tell me and I’ll set them straight. (悪くないといいね。もしも彼らが勝手なことをしたら、僕に言ってくれたら、僕から彼らに話して改めさせるからね。)
Bethany: Yeah, right. (はい、分かりました。)
単語
1 | replacement | 代わり、後釜 |
2 | quit | やめる |
3 | leave | leaveは「去る」という意味。ここがbe leavingと進行形になっているのは近未来を表す。 |
4 | permanent | 「永久の」という意味。つまりここではずっと会社で働く正社員のこと。 |
5 | make do with | 間に合わせる、お茶を濁す |
6 | temp | 臨時社員、臨時雇い。temporary(一時的な)。動詞としてtempを使うと「臨時社員として働く」という意味。 |
7 | perspective | 見地、観点。 |
8 | afford | 金銭的余裕がある。 |
9 | full-time | =permanent |
10 | be supposed to | ~すべき |
11 | staff | ここでは動詞として使われてますね。staff Aで「Aでスタッフとして働く」 |
12 | undervalue | 過小評価する⇔overvalue |
13 | graduate | 卒業する |
14 | land | =get。この意味で使われるlandは日本人には馴染みがないですね。 |
15 | have trouble ~ing | ~するのに苦労する。 |
16 | turn A down=turn down A | Aを拒否する。断る。 |
17 | test the water | 下調べをする。お試しする。 |
18 | in retrospect | 後知恵で。後になって思えば。 |
19 | job security | 雇用保障。要するに会社に突然解雇されないということ。アメリカでは正社員であっても簡単に解雇されるが、それでも臨時社員よりはましなのでしょう。 |
20 | perk | 特典。恩恵。 |
21 | get one’s foot in the door | その業界で第一歩を踏み出す。入ることが困難な組織にもぐりこむ。 |
22 | fresh | フレッシュというのは、これまでに自分が思いつかなかったという意味。日本語でも「その考えは新鮮」などといいますね。 |
23 | I hope not. | =I hope (that working with temps will) not (be so bad). |
24 | get out of line | 列を外れる。→規律を乱す。 |
25 | set A straight | Aを訂正する。Aを整理する。Aの誤りを正す。 |
発音
便宜上、日本語で読み方を表記していますが、もちろん正確ではありません。ほとんどの生徒のローマ字風の読み方(綴りどおりの読み方)が、いかにネイティブの発音とかけ離れているかに気付いてもらうために、わざとこのように表記しています。他に表記のしようがないという理由もありますが・・・ ともあれ「単語を一つ一つ読むのと、文章としてつなげて読むのでは、発音が違う」ことを意識してください。そしてネイティブの音声を、一部ずつ取り出して繰り返し聴いて、自分で同じように発音できるよう、練習してください。恥ずかしがらずに口に出すことが上達のコツですよ!